アルツハイマー病の予防にはいろいろな方法があります。その中でも運動が最も効果的であることが分かっており、最近いろいろな運動方法やプログラムが開発されています。テレビや本にたくさん紹介されていて少しは知っているのでは?ただ病気は心配だけど時間がない、どうやってやったらいいかわからないと思っているあなた。そんな方に超簡単にできる運動を解説します。
アルツハイマー予防になぜ運動や体操がいいの?
アルツハイマーの予防に運動や体操が効果があるといわれています。でも実際なぜいいかご存知でしょうか?
実は運動や体操は脳細胞の新生に関与していることが分かったのです。以前までは脳細胞は一生入れ替わることなく、働き続けながら寿命をむかえるという考えが一般的でした。ただ最近の研究で脳細胞の一部も少しずつ生まれ変わり、新たに新生していることが分かったのです。その中でも記憶の中枢である海馬の細胞の新生が注目されており、その新生に運動や体操などの身体的な活動が関与していることも分かったのです。マウスの実験では、運動をたくさんした方が神経細胞の栄養となる脳由来神経栄養因子(BDNF)が多く分泌され、細胞の新生も増加して、記憶が良くなっていることが判明しました。また人間を対象にした海外の研究では、1年間しっかりと運動をした方の海馬の体積を評価したところ有酸素運動で2%程度の増大を認め、記憶力も向上していたことがわかっています。
科学的にも運動による認知機能の改善が認められており、アルツハイマーを予防するには運動が一番いいと考えられます。
アルツハイマーを予防するための簡単な3つの予防体操
普段から忙しすぎてなかなか運動ができない人やあまり好きではない人にちょっとした隙間に簡単にできるアルツハイマーの予防体操を紹介します。
コグニサイズ
国立長寿研究医療センターで開発された認知症予防の運動です。有酸素運動をしながら、頭の中で課題を実行することでアルツハイマーを予防しようという運動です。実際はウォーキング、ラダー運動、踏み台などを使ってじっくりとやる方がいいのですが、時間がない方はちょっとした空き時間に簡単でできるコグニサイズの方法をご紹介します。
まずは姿勢を正してしっかりと立ちます。その場で足踏みをしながら数を数えます。その時にまずは3の倍数ごとに手を叩いきながら続けましょう。これができたら次に同じように足踏みをしながら3の倍数、5の倍数で手を叩いてみましょう。ここまでできれば、最後は動作を変えます。まずは足を右から横に開き元の位置に次に左足を左に開き元の位置に戻す、この動作を繰り返しながら足踏みと一緒で3の倍数、5の倍数で手を叩きながらやってみましょう。これらの3つの予防体操を1日10分程度でもいいのでやっていきましょう。
拮抗体操
拮抗体操と聞くとちょっと聞き慣れない体操に感じるでしょうが、これも本当に簡単です。拮抗体操とは相反することを同時に行う運動になります。テレビで紹介された有名なやり方は一方の手はグーにして太ももをトントンと叩き、もう一方はパーにして太ももを前後にこする動作を同時にするという方法です。数えながらやるとやりやすい方法です。次に両手を交互に突き出す体操で突き出す腕はグーにして引くてはパーにする体操もあります。これはコグニサイズよりは比較的会社や家庭でもできるいい予防体操です。
ダンスのような体操
2015年にテレビ番組で紹介されたフリフリグッパー体操。ちょっとこれは人前では恥ずかしいかもしれませんが、それさえ克服できれば簡単にできる体操です。音楽などを聞きながらつま先で立ちながら足踏みをして、腰を振り、腕を前後大きく広げながら拍手する運動です。同時に足、腰、腕の運動をして頭に刺激を入れる体操です。もしも音楽が難しいようなら3つの動作に加えて、しりとり、引き算などを頭でしながら行いましょう。
ネット上に公開されているフリフリ体操を解説したPDFなんで参考にしてください。
http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1224738333807/files/furifuri.pdf
この3つは本当に簡単にできる予防体操です。どれもやってみると意外に面白い体操ばかりなので運動不足になりがちと思ったら空いている時にやってみてはいかがでしょうか?